ワンピースのマリンフォードで行われた頂上決戦の終盤、黄猿がルフィたちの逃走を阻止しようとした際に、赤髪海賊団の副船長ベン・ベックマンが黄猿に銃を向けて「何もするな黄猿」と一喝。
海軍大将の黄猿があっさりと手を上げ、その場で動きを止めるという展開が描かれました。
この出来事は、ルフィたちにとっては絶望的な状態の中で起こったことで、多くの読者に希望を抱かせましたが、同時に疑問も抱かせました。
「なぜ黄猿はあっさり手をあげたのか?」という疑問です。
この記事ではこのシーンの背景や、黄猿の行動の理由を書いていきます。
頂上決戦、赤髪海賊団の登場
この出来事が起きたのは、海軍に捕らえられたルフィの兄「エース」の処刑を巡って発生した白ひげ海賊団vs海軍&王下七武海の「頂上戦争」の終わり際でした。
頂上戦争自体は一度エースをルフィが助けたものの、海軍大将の赤犬(サカズキ)によってエースが倒されてしまったことや、黒ひげ海賊団の攻撃とは言え最終的に白ひげ自身が倒されたため、白ひげ海賊団の事実上の敗北に終わりました。
しかし、戦場にはまだまだ白ひげ海賊団の残党は残っていましたし、エースの弟であり革命軍総帥ドラゴンの息子であるルフィを海軍は捕らえようとしていました。
白ひげ海賊団のマルコたち残党にとっては、救出しようとしていたエースの弟であるルフィを逃がすため大将含めた海軍との戦闘が継続します。
(ルフィ自身はダメージの蓄積とエースを失ったショックで気を失っている状態)
しかし、精神的にも能力的にも大きかった白ひげを失っているこの状態はかなり厳しいものでした。
そんな最中、突如として赤髪海賊団が登場しました。
赤髪のシャンクスは
「この戦争を終わらせに来た!!!」
(ワンピース 漫画版 第579話”勇気ある数秒”より)
と宣言。
頂上決戦は終了に向かっていきます。
ベン・ベックマンの威圧とシャンクスの影響力
ベン・ベックマンの「何もするな黄猿」は何話?
赤髪のシャンクスと一緒に現れたベン・ベックマンはルフィを攻撃しようとする黄猿に銃を向け、
「何もするな”黄猿”!!」
(ワンピース 漫画版 第579話”勇気ある数秒”より)
と威圧。
黄猿はあっさりと手をあげました。
この579話はコミックの単行本では59巻に収録されています。
ONE PIECE 59 (ジャンプコミックス)
ベン・ベックマンが銃を向けた黄猿は、ピカピカの実の悪魔の実の能力者で光速の攻撃を繰り出せるロギア系能力者であり、普通の銃での攻撃では一切ダメージを受けないはず。
しかし、黄猿はベン・ベックマンの一言で手をあげました。
海軍大将の黄猿がベックマンにあっさりと従っているのが若干不思議ですよね。
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ベン・ベックマンの武器と戦闘力
これに対しての考察の一つにベン・ベックマンがこの時構えていた銃には、海楼石が仕込まれていたのでは?という説があります。
海楼石は悪魔の実の能力者にとっての海と同じような性質を持ち、悪魔の実の能力者が海楼石に触れると一気に無力化します。
そのためもしこの考察が正しいなら黄猿にとっては脅威となり得ます。
ベン・ベックマンはそもそも四皇であるシャンクスの赤髪海賊団の中では、おそらくシャンクスの次の実力者です。
そんな人物が海楼石入りの銃を向けていたら、黄猿であっても身動きできない可能性はあります。
頂上決戦の状況
赤髪海賊団が頂上戦争編で登場した時、実質的には既に頂上戦争は白ひげ海賊団の敗北という形になっていました。
「エースの弟でドラゴンの息子」という立場のルフィは海軍にとっては明確に抑えておきたい敵ではありますが、エースの処刑や白ひげ海賊団への勝利というこの時の目標自体は既に達成していたとも言えます。
さらにこの時戦場には意図が不明な「黒ひげ海賊団」も登場している状態でした。
この状態で赤髪海賊団と海軍が戦闘を開始してしまった場合、海軍は赤髪海賊団、黒ひげ海賊団、白ひげ海賊団の残党、というとんでもない相手との戦闘になってしまいます。
であれば、黄猿がベックマンと戦い始めるのは危険という判断になっても不思議はないはずです。
センゴクの判断とシャンクスの特別な立場
頂上決戦では、海軍元帥センゴクがシャンクスの言葉を受け入れ、戦争を終わらせエースと白ひげの弔いもシャンクスに任せることを認めました。
理由は不明なもののなぜかセンゴク元帥は赤髪のシャンクスに信頼感というか、特殊な何かを感じているように思えるシーンでした。
だいぶ後ではありますが、四皇であるシャンクスがなぜか五老星と面会するシーンが描かれていて、そもそも海軍にとって赤髪海賊団やシャンクスが非常に特殊な立ち位置にあった可能性があります。
(五老星と面会したシャンクスは別人説もあります)
赤髪海賊団幹部の実力
赤髪海賊団の幹部「ラッキー・ルウ」(いつも肉を食べてる人)はエルバフ近海でのキッド海賊団との戦闘前、
「お頭!!いいよおれ達でやっとく」
( ワンピース 漫画版 第1079話”「四皇」赤髪海賊団”より)
とシャンクスに言っています。
シャンクスは
「おいおい「30億の首」だぞ
若者の成長速度を見くびるな」
( ワンピース 漫画版 第1079話”「四皇」赤髪海賊団”より)
と答え、結局シャンクスがキッドを瞬殺する結果になりました。
この1079話は単行本では107巻に掲載されています。
ONE PIECE 107 (ジャンプコミックス)
最初のラッキー・ルウのセリフはロー&キッドがビッグマムを倒した後のことですし、それでもなお、自分たちでキッドを倒せると考えていたということです。
おそらくベックマンはラッキー・ルウよりも強さは上。
そう考えると、海軍大将の黄猿であってもそう簡単にベックマンを倒してルフィを狙うのは難しいと考えたのかもしれません。
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まとめ
ベックマンの「何もするな黄猿」という一言に対し、黄猿が手を上げたこのシーンは、ベックマンの強さ、頂上戦争の現状と海軍の状況、シャンクスの特殊な立ち位置などが影響していると私は思っています。
このシーンだけを見ると「ベン・ベックマンと黄猿だとどっちが強い?」という疑問には、ベックマンではベックマンのほうが強いのでは?だから黄猿は従ったのでは?と考えそうになります。
ただ、このベン・ベックマンのセリフを聞いた黄猿は一旦止まっていますが、この後ベックマンの隙をついたような形で黄猿はローの潜水艦にいるルフィを一度攻撃しています。
そのため、黄猿は実際は何もしなかったわけでもありませんし、これだけでベックマンのほうが黄猿より強いとは言えないと私は考えます。