ワンピースの中でも名言として知られる黒ひげのセリフ「人の夢は終わらねぇ」。
このセリフは黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)が初登場してすぐ後のまだ無名の頃にも関わらず、初遭遇のルフィに放った豪胆なセリフです。
この記事では、この名言が登場した場面やその意味、さらにルフィの「夢の果て」との対比について考えていきます。
「人の夢は終わらねぇ」と言ったのは何話?
黒ひげが「人の夢は終わらねぇ」と言ったのは、漫画『ワンピース』では第225話”人の夢”、アニメ版では第147話「海賊の高み!夢を語る男と海底探索王」です。
コミックではこの225話は24巻に収録されています。
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モックタウンでベラミーたちにばかにされた後、ルフィたちが店を出た時に黒ひげがほぼ独白のようにルフィに語った場面です。
前後も黒ひげの思いが詰まった言葉がセリフになっている黒ひげの自己紹介のような感じですね。
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「人の夢は終わらねぇ」というセリフと状況
セリフ
黒ひげがこの名言を言う場面は、モックタウンでのベラミーとの一幕が終わった後のことです。
ベラミーがルフィたちを嘲笑し、時代は変わった、空島もワンピース(ひと繋ぎの大秘宝)も幻想と断言し、ルフィたちを嘲笑ったシーンのあと、黒ひげがルフィやナミたちに熱く語りました。
黒ひげのセリフ全文は以下の通りです。
ルフィたちが無抵抗だったことを悔しがるナミに、空島はあること、さっきのベラミーたちとの勝負は無抵抗だったルフィたちの勝ちだと言ったあと、こう言いました。
「アイツらの言う〝新時代”ってのはクソだ
海賊が夢を見る時代が終わるって・・・・・・!!?
(ONE PIECE 漫画版 第225話”人の夢”より)
(ベラミーたちは「新時代」という言葉を使っていました。)
さらに続いて、
人の夢は!!!終わらねェ!!!!
そうだろ!!?人を凌ぐってのも楽じゃねェ!!!笑われていこうじゃねェか
高みを目指せば出す拳の見つからねェケンカもあるもんだ!!!!
(ONE PIECE 漫画版 第225話”人の夢”より)
と言います。
この言葉には、黒ひげの「夢」に対する信念のようなものが表れていますし、ルフィが無抵抗だったことを綺麗に解釈してくれています。
個人的には笑われていこうじぇねぇかからの2行が好きです。
このセリフの時の黒ひげと状況
今でこそ黒ひげ「マーシャル・D・ティーチ」は四皇として知られていて、能力者狩りを行い黒ひげ海賊団を率いている危険な海賊です。
ただ、このセリフを言った時の黒ひげはそもそも初登場に近い状態。
なので当時の読者は黒ひげが誰なのか今後何をするのか、黒ひげについてほぼ何も知りませんでした。
「ゼハハハハ」という笑い方をする何かいいこと言うちょっといいやつっぽい変なおっさん。という感じです。
若干ただならないキャラという感じはあったものの、そんな時のセリフでした。
無抵抗だったルフィと、過去のシャンクスの似たシーン
黒ひげの初登場
黒ひげの初登場は少し前の話で、漫画版だと第223話”ワタクシはこの町では決してケンカしないと誓います”です。
ルフィと同じ店に偶然黒ひげがいて、
チェリーパイについて、
黒ひげがうまいと言いルフィがまずいと言い、
ドリンクについて、
黒ひげがまずいと言いルフィがうまいと言い、
お土産の数で張り合いはじめ、やんのかこら!みたいな流れになります。
この黒ひげとルフィを対比させるような会話のあと、店から去る黒ひげと入れ替わるように入ったのがルフィを嘲笑することになったベラミーでした。
この時が黒ひげの初登場です。(と言っても黒ひげの名前も何も分からない)
入れ替わって入ったベラミーとルフィたちとの絡みがあったあと、店を出たルフィたちに言ったのがあの名言です。
ルフィとシャンクスの対比
ベラミーに嘲笑される前、ルフィがベラミーに突然攻撃され、一旦はルフィとゾロがやる気満々という感じになりましたが、一緒にいたナミが静止しながら空島について店の人に尋ねました。
それを聞いたベラミーたちは空島の存在を信じていること自体を笑い、挑発します。
しかしルフィはそれを聞いてベラミーたちを完全に無視、ベラミーたちに何をされようが無抵抗になったまま店を出ます。
店を出たところに黒ひげがいて、この名台詞を吐きます。
この出来事のあと、別の理由でベラミーたちを許せなくなったルフィはベラミーを簡単に粉砕。
力の差を見せつけました。
ルフィが急にベラミーと戦うことにしたのは「友達」を攻撃されたからです。
1話でヒグマに無抵抗だったシャンクス
この時のルフィのスタンスは、ワンピースの序盤でシャンクスが山賊ヒグマの挑発を無視したシーンと重なります。
ルフィがまだ子供だった頃で、店で偶然シャンクスたち(既にこの時海賊)と居合わせた山賊ヒグマはシャンクスたちを挑発。
しかしベラミーの時のルフィと同じように、シャンクスはこれを無抵抗で無視します。
子どもの頃のルフィはそれを見て激怒。シャンクスたちを見損ないます。
後日シャンクスたちが海に出ている間に再び同じ店にヒグマが登場、ルフィと遭遇。
シャンクスたちをばかにするヒグマを許せず、ルフィはヒグマに激怒。
当然ルフィはひどい目にあいます。
そんな中寄港したシャンクスたちがその場に登場。
ヒグマたちを圧倒、力の差を見せつけました。
シャンクスが最初の時とは打って変わってヒグマたちと戦ったのはルフィが「友達」だから。
このシャンクスとヒグマとルフィとの出来事はワンピースの1話で描かれています。
1話は1巻のお試しという形で例えば下記のAmazonなどで無料で読むことが出来ます。
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この時のシャンクスの行動とベラミーたちに見せたルフィの行動の重なりは意図的なものだと思います。
そしてルフィたちの無抵抗だった行動を綺麗に説明してくれたのが黒ひげ。
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「人の夢は終わらねぇ」「夢の果て」ルフィとの比較
上にちらっと書いた黒ひげの初登場の場面では、ルフィと黒ひげのこれからを暗示するかのように、チェリーパイなどについて反対の感想を言い合いました。
黒ひげは「人の夢は終わらねぇ」と言いましたが、ルフィは「夢の果て」という言葉を使ったことがあります。
ルフィの夢の果てはワンピースの物語の大事な部分のようで、思わせぶりに語られそうになっては読者には一切知らさない、という状況が続いているので中身ははっきりとは分かっていません。
ただ、「夢の果て」という言葉自体、「果て」なので終わりや結末を意味していると思えますし、そうなると「終わらない」と言った黒ひげの言葉との対比にも見えます。
黒ひげは最終的なルフィたち麦わらの一味のラスボスの可能性が高いキャラです。
そのためルフィと対比されることが多いキャラですが、この「人の夢は終わらねぇ」という言葉と「夢の果て」という言葉もわざと対比的に描かれている気がします。
まとめ
黒ひげの名言「人の夢は終わらねぇ」は、黒ひげが初登場してすぐのセリフです。
でも今見ればこのセリフや黒ひげの初登場時のルフィとを対比するようなシーンは、この後の長年続く黒ひげとの対立や物語を暗示しているように思えます。
このセリフ自体はいいセリフですが、夢のためであったとしても、黒ひげはこの後かなり悪者キャラに突き進んでいることもあり、「黒ひげ」というキャラクターの深みを感じさせてくれるセリフになっています。