ワンピースの漫画で
くまとジニーの関係のストーリーを見た時からずっと
なんでジニーをここまでかわいそうな境遇にしたんだろう?
尾田先生にはここまでした理由があるはず。
という疑問を持っていました。
奴隷制度など絶対に許されない。
天竜人のような行いは許されない。
と言いたいのは分かるんですが、
それだけならここまでする必要はないのでは?
と。
ジニーのかわいそうな境遇
ジニーが登場したのはワンピース108巻1095話になります。
ジニーの境遇自体は108巻でほぼ全て語られています。
ONE PIECE モノクロ版 108 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ジニーの境遇は長いワンピースのストーリーの中でも
突出して厳しいものです。
ゴッドバレー事件のドサクサを利用し、
くまとイワンコフと一緒に奴隷生活から脱出することに成功。
くまのいる自勇軍(後の革命軍)に参加するも、さらわれて天竜人の妻に。
2年後、行方が分からなくなっていたジニーから、
突然革命軍に連絡が入り、くまと会話。
青玉鱗になってしまい、
夫であるはずの天竜人に下界に捨てられたことが判明。
くまとの思い出の地であるソルベ王国からくまと通信で会話した後、
幼いボニーを残し物語を退場することになる。(39歳)
くまは残されたボニーを育てる。
ざっくり書くとこういう感じですが、
実際のワンピースの漫画を読んでいて
「なんでジニーをここまでかわいそうな境遇にするの??」
と思ったのは私だけではないと思います。
くまを「くまちー!」と呼ぶジニーはとても明るいキャラで
キャラ立ちがしっかりしているだけに尚更そう思ってしまいます。
ベガパンクに繋がっていく流れ
そもそもここまでジニーの境遇を煮詰めなくても、
前後のストーリーは作れるのでは?
でもそうしなかった理由が尾田先生にはあるはず。
とずっと思っていました。
でも最近のベガパンクの
海に沈む発言やジョイボーイの話をする流れを見て、
必要だったんだなあ・・、と納得いきました。
ボニーは明示はされていないけれど、
普通に考えればジニーと天竜人の子のはず。
ボニーはくまを「お父さん」と呼ぶけれど、くまはあくまで育ての父。
ジニーのあの境遇がなければさらわれることもなかっただろうけれど、
ボニーは天竜人との子のはずなので生まれることがなかった。
くまがボニーを治すためにサターン聖の条件を呑み
ベガパンクの手術を受けるストーリーは、
ボニーが生まれなければ成り立たない。
ボニーがいなければ、くまが海軍であるベガパンクと接触する理由がない。
ベガパンクはいいやつだった。
ベガパンク自身はくまを改造人間にして自我を失わせたかったわけではありません。
それに反対していたものの、
ボニーのために犠牲になり自我を失うことを受け入れる覚悟の
くまの意思を尊重し、そうすることにした。
サターン聖がくまに出したボニーを助ける条件に
ベガパンクは激しくサターン聖に反論していた。
くまの王下七武海という立場
シャボンディ諸島で黄猿と戦桃丸の猛攻を受けたルフィ達麦わら海賊団は、
突然現れた本物のくまにニキュニキュの実の能力で
各自それぞれに適した島へ飛ばされる、という形で黄猿から逃げることに成功しました。
この流れになるためには、
くまが王下七武海の一員である必要があります。
もしくまが革命軍やただの海賊なら黄猿と戦桃丸が見ている中、
あんなことは出来ないはずです。
くまが王下七武海の一員になった理由は、
ボニーを助ける条件として五老星のサターン聖が提示した条件の一部だったからです。
自我を無くすレベルでくまを改造すること、
王下七武海の一員になること、
これがサターン聖の条件に入っていました。
くまが王下七武海だったからこそルフィ達をあの形で助けることが出来た。
そんなくまが王下七武海になった理由はボニーを助けるための条件だったから。
ワンピースも見れる!
現在、DMMTVは初回登録なら30日間無料!
アニメ・エンタメ見放題!初月無料!【DMMプレミアム(DMM TV)】
もしジニーの境遇が違うものだったら?
ジニーの境遇があるからジニーはくまと出会うことが出来、
くまと出会っているからジニーは革命軍に入り、
結果、革命軍の隊長だった時にさらわれ、
天竜人とジニーの子としてボニーが生まれる。
くまが革命軍のドラゴンを知っていたからこそ、
ベガパンクならボニーの病気を直せるかもとドラゴンに聞くことが出来た。
なので、ボニーが青玉鱗にならなければ、
くまがベガパンクに接触することもなく、
改造人間になることもなく、王下七武海に入ることもない。
ジニーが青玉鱗になったのはサターン聖の仕業。
サターン聖曰く、
「生まれた子にも遺伝するとはな」
(ワンピース1103話「ごめんね、お父さん」より)
ということなので、狙ってはいなかったとしても、
ボニーの青玉鱗はサターン聖が元凶。
サターン聖とくまの取引により、
ベガパンクは涙を流しながらくまに最終的な改造手術を行い、
くまは自我を失う。
くまの犠牲によりボニーは助かり、未来へ繋がる。
つまり、くまとボニーがベガパンクと接触するためには、
ジニーの境遇が必要。
同時に、個人的な感想ですが、
くまの境遇がなければ
ベガパンクが五老星に歯向かい、
空白の100年の研究をしなかった可能性もあると思っています。
であれば、今のジャンプの流れの
ベガパンクによる「海に沈む発言」やジョイボーイの話も存在しなかった可能性もあるのかも、
とも思います。
少なくともくまの自我を失う手術をすることになったベガパンクが
五老星に対して激しい反発心を抱いたのは間違いないはずです。
ボニーのワンピースの中での役割を考えると、
ジニーの境遇は必要だったということだと思えてきます。
ジニーはゴッドバレー事件のどさくさで奴隷を脱出した人物で、
同じく奴隷だったくまとゴッドバレーで巡り合う。
なので、ジニーが元奴隷でなければ、くまと出会うことが出来ません。
ゴッドバレー事件
ボニーの出生への流れには
ゴッドバレー事件における「先住民一掃大会」も必要だったはずです。
もちろんロックスとガープ、ロジャーの関係、天竜人の一部が実は強いことなど、
ジニーやくまと関係ない「ゴッドバレー事件」の流れもありますが、
先住民一掃大会がなければ、
そもそもくまとジニーが出会って奴隷を脱出することが出来ない。
この大会の景品であるニキュニキュの実の能力によって、
ジニーとイワンコフとくまはワープしてゴッドバレーから逃れて
奴隷を脱出することが出来たからです。
海軍であるガープと海賊であるロジャーが手を組んでロックスを倒し天竜人を守った。
というだけでは、くまもジニーも登場する余地がありません。
もちろん、ジニーが登場してもしなくても、
先住民一掃大会はロックスの存在も含めて、
大きな事件として必要なエピソードなのでしょう。
しかし、先住民一掃大会があり商品がニキュニキュの実だったから、
ジニーとくまが出会い、奴隷を脱出しボニーが生まれることが出来たのも事実。
ジニーと天竜人の子(おそらくですが)であるボニーが生まれるためには
ジニーが革命軍に入りさらわれることが必要なので、
そのためにはくまとジニーの出会いが必要。
当時のくまとジニーは奴隷なので出会って奴隷を脱出するためには先住民一掃大会が必要。
ジニーのかわいそうな境遇があったからこそ、
ベガパンクが五老星に反発する理由も流れも鮮明に読者に伝わる。
今までの「もしかしたら狂った科学者なのでは?」とも考えられたベガパンクが、
くまとのエピソードでとても熱い素晴らしい科学者だったことがスムーズに伝わる。
実際、ベガパンクが前から五老星と反目していることの説明は、
ボニーやくま、革命軍とのエピソード以外あまりストーリー上に存在しません。
(見落としがなければですが)
くまとベガパンクのストーリーがなければ、
ベガパンクのキャラクターは読者にとってはかなり薄くなっていたはずです。
今なら初回購入限定90%OFFクーポン!ワンピースも買える!(値引き上限2000円)
DMMブックス:いつでもどこでも漫画が読める!!【DMMブックス】
今ならポイント70倍!
楽天Kobo:総合電子書籍ストア【楽天Kobo】
ワンピース、ジニーのかわいそうな境遇の理由考察まとめ
ジニーの境遇は、運命や因果関係、という誰しもが持つ人生を考えさせますし、
誰かの犠牲によるストーリーの進行という役割を果たしています。
くまの自我を犠牲にする選択、ベガパンクの倫理的ジレンマ、そして五老星との対立は、
権力、人間性に関する深い問いを投げかけています。
ワンピースの物語自体、個々のキャラクターの運命が互いに深く結びついており、
人間の一つ一つの選択が後の展開に大きな影響を与えるということを示しています。
ジニーの境遇がなければ、ボニーの存在、くまとベガパンクの関係、
さらには現在のストーリーの展開も異なっていたでしょう。
ジニーの境遇を見るだけでも、ワンピースの世界のキャラクター一人ひとりの背景や選択が
物語全体のテーマやメッセージに深く関わっていることを示していて、
その複雑さと緻密さが長く愛される理由の一つでもあると思います。