進撃の巨人の物語の中でフクロウことエレン・クルーガーが突然言った「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら」、その後に続く「誰の記憶だろう」という発言はその頃の読者を混乱させました。
進撃の巨人が漫画でもアニメでも最終回を終えた今は、このセリフには深い意味と物語の核心の謎が隠されていたことが分かります。
本記事ではこれらのセリフの背景と意味や何話でのセリフかなどを書いていきます。
「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら」「誰の記憶だろう」は何話?
進撃の巨人を主人公エレン・イェーガーの父親グリシャに継承する直前の会話の中で、フクロウ(エレン・クルーガー)はグリシャに、
「ミカサやアルミン
みんなを救いたいなら 使命を全うしろ」
(漫画版 進撃の巨人 漫画版89話「会議」より)
と言っています。
この89話はコミックでは22巻に収録されています。
進撃の巨人(22) (週刊少年マガジンコミックス)
「誰の記憶だろう」というセリフは、同じ場面でエレン・クルーガーが語るセリフで、上の「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら」というセリフの意味が分からないグリシャに言うセリフです。
「誰の記憶だろう」というセリフも進撃の巨人の漫画版では第89話「会議」で登場します。
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「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら」、まだ生まれてすらいないミカサとアルミン
エレン・クルーガーが言ったミカサとアルミンという名前は、当時の読者を驚かせました。
というのも、エレン・クルーガーがグリシャと会話をしているこの時はグリシャがパラディ島の壁の中に入る前で、エレンの母親カルラと出会ってすらいないからです。
ミカサもアルミンも当然まだ生まれてすらいないので、エレン・クルーガーが名前を知っているはずがないからです。(ミカサもアルミンもエレンと年齢は同じ15歳)
この不思議な発言の理由は、進撃の巨人の能力によると考えられます。
進撃の巨人の能力者は、過去と未来の継承者たちの記憶が複雑に繋がることがあります。
進撃の巨人特有の能力と記憶
進撃の巨人の能力は、他の九つの巨人とは異なり、未来の継承者の記憶を過去の継承者が見ることがあるというものです。
ややこしいのは、進撃の巨人以外の知性巨人の能力者も、過去の継承者の記憶を見ることがあること。
進撃の巨人の継承者であるエレン・クルーガーの場合、
- 未来の継承者の記憶を見る(進撃の巨人)
- 過去の継承者が見た未来の継承者の記憶を見る(知性巨人&進撃の巨人の能力)
このどちらかが発動して、「ミカサ」「アルミン」という存在を守りたいという意思を未来の継承者が持つことを知ったということだと思います。
最初の場合だとエレンが見せた可能性がありますし、この場合エレンは進撃の巨人のストーリーの全てをコントロールしているという話に繋がりそうになります。
2番目が進撃の巨人の物語上で発動していたのがエレンで、エレンは謁見式でヒストリアにキスした時、その時点より未来のエレンが過去のグリシャに見せた記憶を見ました。
いずれにしてもフクロウはこれらのどれかのパターンで未来を見ているはず。
ただ、その記憶は断片的なものなので、誰の記憶かも分からないし、ミカサやアルミンが誰なのかも分からないという状態だったということでしょう。
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「誰の記憶だろう」というセリフとユミルの民と道
ミカサやアルミンがまだ生まれてすらいない時代に「ミカサ」や「アルミン」という名前を聞き、それが誰か疑問に思うグリシャに
「・・・さぁ?
わからない
誰の記憶だろう?」
(漫画版 進撃の巨人 漫画版89話「会議」より)
とフクロウが答えました。
フクロウことエレン・クルーガーが生まれてもいないミカサやアルミンという名前を言ったのは未来の記憶をエレン・クルーガーが見たからだと思われます。
この記憶はユミルの民だけが種族として繋がっている「道」という場所から送られます。
ユミルの民と道についてエレンが
「時には記憶や誰かの意思も同じようにして道を通ってくる」
(漫画版 進撃の巨人第88話「進撃の巨人」より)
と言っていました。
88話はコミック22巻に掲載されています。
進撃の巨人(22) (週刊少年マガジンコミックス)
「道」はすべてのユミルの民を繋げる場所であり、巨人の元になっている場所で、ユミルの民自体が記憶や誰かの意思が道を通って伝わってくる(時がある)という性質を持っています。
まとめ
「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら」や「誰の記憶だろう」というエレン・クルーガーのセリフは、進撃の巨人の大きな謎である「ユミルの民」や「知性巨人の特殊な能力」を示唆する言葉でした。
その時に存在しないミカサやアルミンの名前を知っていたのは進撃の巨人特有の未来の継承者の記憶を見ることがあるという能力に関係しています。
エレン・クルーガー自身の名前は「エレン」、つまり主人公の「エレン・イェーガー」と同じ名前を付けられています。
「自由」を象徴する知性巨人である「進撃の巨人」の継承者エレン・クルーガーは、「フクロウ」としてエルディア人を助けたいと思いながら、本当はしたくないのにエルディア人を処罰する立場にならざるを得ませんでした。
「自由」を象徴する進撃の巨人はやがてグリシャ、主人公のエレン・イェーガーへと受け継がれ、主人公エレンはパラディ島の人たちを助けたいと思いながら、本当はしたくない「地ならし」へと突き進みました。
フクロウことエレン・クルーガーは主人公エレン・イェーガーと重なる部分もある、非常に魅力的なキャラクターです。