進撃の巨人の物語の中で、中盤からの主人公エレン・イェーガーは
唐突に性格が変わったかのような行動を取り始め、
「地ならし」へと突き進んでいきます。
特に、物語の終盤で彼が「地ならし」を決行したことについて、
多くのファンが議論を交わしています。
この記事では、エレンがなぜ地ならしを行ったのか、
その背景と彼の心情を詳しく探っていきます。
エレンの成長と変化
トラウマと巨人への復讐心
エレンの動機の一つは、突然の巨人の攻撃によって母親を失ったことに起因します。
エレンはその瞬間から巨人に対する激しい敵意を抱き、
巨人を全て駆逐するという強い決意を持ち続けてきました。
このトラウマと復讐心は、エレンの行動の根底に流れる重要な要素です。
進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス)
「駆逐してやる!! この世から・・・一匹・・・残らず!!」
(進撃の巨人 漫画 第2話「その日」)
自由への渇望
エレンのもう一つの重要な動機は「自由」です。
エレンは幼少期から壁に囲まれた世界に閉じ込められていることに不満を抱いており、
外の世界を自由に歩き回ることを夢見ていました。
特にアルミンに聞いた「海」の話はエレンにとって強烈で、
パラディ島の壁から出て、外にあるらしい「海」に辿り着くということが
アルミンとエレンの共通の目的の一つになっています。
エレンにとって、真の自由を手に入れるためには
壁の外の脅威である巨人を排除する必要がありました。
未来の記憶
エレンは「進撃の巨人」の力により、グリシャを介する形で
結果的に未来の記憶を見ることができました。
見たい未来を全て見れるわけではありませんが、
断片的ではありながらも、エレンにはある程度未来に起こることが分かっていました。
エレンはその記憶を通じて、自分が何をし、
そしてその結果がどのようなものであるかをある程度理解しています。
しかし、未来を知っていても、エレンその運命から逃れることができず、
地ならしを実行することになったと考えます。
(私はループ説ではなく、進撃の巨人は未来を変えることは出来ない一本道だと考えています。)
地ならしの動機
世界の現実
エレンが地ならしを決行した最も大きな理由は、パラディ島の未来を守るためです。
パラディ島にいる人々はその多くがエルディア人であり、
エルディア人は基本的に世界から憎まれていました。
遠い過去から繰り返されたエルディア人(厳密に言えばユミルの民)の
独自の能力である巨人化により、
多数の国々が被害にあってきたからです。
マーレ(あるいは昔のエルディア帝国)と戦争すると、
異形の怪物である巨人が襲い掛かってくるのです。
想像するだけで恐怖です。
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味方のいないパラディ島
マーレのヴィリー・タイバーを始め、一部の人々はそれでも現在のエルディア人を助けたい、
という思いはあったようです。(そもそもタイバーはエルディア人)
ただし、この「エルディア人」は
島の悪魔である「パラディ島のエルディア人以外」のことでした。
あくまでパラディ島の悪魔は敵なのです。ヴィリー・タイバーすら同じです。
パラディ島以外のエルディア人が守られたとしても、
パラディ島の人々を守りたいエレンにとっては何の意味もないことです。
これはエレンを地ならしの決行に突き動かす理由の一つになります。
決定的なシーンとして描かれているレベリオ区襲撃のシーンは、
ヴィリー・タイバーの大演説の途中で始まります。
演説内容はパラディ島への宣戦布告と世界に共闘してほしいという叫びでした。
エレンとしては本音ではもちろん地ならしなどしたくない。
だからこそわざわざタイバーの演説も聞いていたのでしょう。
「もしかしたらパラディ島も含めた平和を願ってくれるのでは?」
というわずかな可能性への期待も零ではなかったでしょう。
しかし、エレンにとっては何の希望もない演説になっていました。
地ならしへ
マーレ国をはじめとする世界中の国々がパラディ島を脅威と見なし、
攻撃を計画していることは明らかでした。
こうしてエレンは島の人々を守るための手段として地ならしを選択するしかない状態になります。
エレンが地ならしを決断した最大の理由は、パラディ島の人達の生存を確保するためでした。
エレンにとっては自分たちの自由と生存のための他の選択肢がないのです。
エレンの内面と葛藤
エレンの決断は、単純な暴力や復讐心から来たものではありません。
何度も自問し、悩み抜いたものの、それでも地ならしを選ぶしかありませんでした。
エレンがラムジーとのシーンで思い悩み、泣き崩れているのは
そのことを表しています。
レベリオ区襲撃以降、エレンは本来仲間である調査兵団の仲間達を
なかば裏切ったように見せる必要がありました。
ミカサなどどうでもいい、アルミンの意見など知ったことではない、
と思っていると思わせる必要がありました。
そのためにミカサにひどい言葉をぶつけ、アルミンと喧嘩になりました。
あのシーンのエレンに疑問を抱いた方は多かったと思いますが、
エレンの未来がミカサやアルミン達と戦い、ミカサにどうにかしてもらうことである以上、
どうしようもありません。
「ミカサ お前がずっと嫌いだった」
(進撃の巨人 漫画 第112話「無知」)
などと口走り、アルミンと喧嘩になる必要があったということです。
最終的には、自分の手で多くの命を奪うことになるという重荷を背負いながらも、
エレンは地ならしを実行することを選びました。
地ならしの結果とその後
地ならしの結果、多くの人々が命を失い、世界は大混乱に陥りました。
エレンの起こした地ならしの結果、
エレンがミカサに倒される形で地ならしは終了。
ミカサやアルミン達は、世界を滅ぼす地ならしを止めるため、
敵であったマーレ国のピークやファルコ、アニ達と協力しながら、
エレンを倒します。
エレンの地ならしはアルミンやミカサ達パラディ島の調査兵団達を
世界を地ならしから救った英雄にすることに成功します。
エレンの真意は物語の最終盤で読者にもアルミンやミカサ達にも伝わりました。
ある意味では大団円ですが、パラディ島を助けるためにエレンが犠牲になるというストーリーは、
読者に言葉では言いあらわせない感情を持たせました。
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まとめ:進撃の巨人、エレンはなぜ地ならしを起こしたのか?
エレン・イェーガーが地ならしを決行した理由は、トラウマ、巨人への復讐心、自由への渇望、
パラディ島を守るための決意、そして未来の記憶によるものです。
これらの要素が複雑に絡み合い、彼を最終的に地ならしへと駆り立てました。
エレンの行動は凄まじい被害を出し、多くの命を奪う結果となりましたが、
それでもエレンにとってはパラディ島の人達を守るという目的と信念が優先であり、
そのために全てを投げうちました。
進撃の巨人の物語を通じて描かれるエレンの葛藤と決意は、読者に深い印象を与え、
進撃の巨人の評価を不動のものにしています。