進撃の巨人 フロックがかわいそう、正しいと言われる理由

進撃の巨人

フロック・フォルスターは「進撃の巨人」の中ではあまり知名度がないにも関わらず、賛否が別れる珍しいキャラクターの一人です。


フロックの行動や信念とも言えるよう尖った考え方は、賛否両論の元となり、「かわいそう」と同情されることもあれば、「フロックが正しい」とも評価されたりしています。

この記事では、フロックが「かわいそう」と同情されたり、「正しい」と考えや行動が評価されたりする理由やエピソードを紹介しながら書いていきます。

フロックがかわいそうと言われる理由

(リンク先:楽天)

フロックは進撃の巨人の中では一度端役として登場し、しばらく全く出番がない状態で突然キーマンの一人として後半登場した人物です。

その両方ともで、フロックは自分の意思や主張をはっきりとぶつけるキャラクターでした。


最初の端役の時ですらほぼ無名のフロックは強い自己主張をしています。

フロックは駐屯兵団に属していましたが、ウォール・マリア最終奪還作戦で調査兵団の所属になりました。

ちなみにフロックの声優さんは、小野賢章さんです。

エルヴィン団長の思い

調査兵団団長のエルヴィンは世界の秘密(パラディ島の壁の外)を知りたいと強く願っていた一人でした。


また、調査兵団団長として何度も何人も多数の兵士を犠牲にしてきたという意識を強く持っています。


世界の秘密を知る鍵は、エレンの父グリシャの地下室に行けば分かると考えられていて、そのためにもウォール・マリア最終奪還作戦を成功させる必要がありました。


しかしウォール・マリア最終奪還作戦の後半では、ライナー・ベルトルト・ジークとの戦いの中で失敗に終わりそうな状況でした。

エルヴィンにとっては長年望んでいた夢にもう一歩で届く。

しかし作戦は失敗間近、そして成功させるためのエルヴィンが考えた方法は一つだけでした。


ウォールマリア奪還作戦のために徴収された新兵の一人にフロックもいました。

フロックはそれまで駐屯兵団にいたため、巨人と戦うことの恐怖をあまり理解していませんでした。


そのため戦場では恐れたり喚いたりしている程度でとても活躍などできない状態。

そんなフロック達新兵をエルヴィン自身が率いて玉砕覚悟でライナーたちに突っ込むこと。


それしかウォール・マリア奪還作戦を逆転させ無事成功させられる可能性はありませんでした。


エルヴィンにとってはずっと望んでいた世界の秘密を知る直前で、特攻して散るということです。

エルヴィンは躊躇していた部分もあったようですが、リヴァイが命令に近いようなアドバイスをした後、エルヴィンはフロックたち新兵を率いてライナーたちに玉砕覚悟の特攻を開始。

(リンク先:楽天)

ウォール・マリア奪還作戦の行方

(リンク先:楽天)

目的はエルヴィンたちがオトリになり、獣の巨人ジークにリヴァイが近づき仕留めること

この玉砕への決断をするシーンは進撃の巨人の漫画版、第80話「名も無き兵士」で描かれています。

漫画版の単行本では20巻に収録されています。
進撃の巨人(20) (週刊少年マガジンコミックス)


特攻後、エルヴィンも含めた多数の調査兵団兵士はジークの投石で次々脱落します。


しかしこの犠牲があったことで、別方向からジークに近づいていたリヴァイにジークは気づかず作戦は成功。

天才リヴァイの攻撃の前にジークは捕獲されます。

しかしこの時存在自体が予想外だったピークの車力の巨人によりジークは救出されました。


ジークとエルヴィンたちと戦っていたのとは別の場所で、エレンやアルミンたちもライナー(鎧の巨人)、ベルトルト(超大型巨人)と戦っていました。


こちらの状況も絶望的でしたが、こちらでも同じようにアルミンが犠牲になるという作戦によりライナーとベルトルトを倒します。


ライナーとベルトルトを捕らえることができ、さらにウォール・マリアの扉の穴も無事塞ぐことができたことで、ウォール・マリア最終奪還作戦自体は成功。


しかし注意を引き付ける役を担ったアルミンは重症を負い、このままでは先がない状態でした。

エルヴィンを連れてきたフロックとフロックの主張

この時巨人化できる注射が1個だけありました。

巨人化すれば重症であっても超回復が可能です。


元々もしライナーたち知性巨人を生け捕りに出来た場合は、巨人化できる注射で重傷者優先(回復目的)で巨人化し、知性巨人の能力者を食べるということになっていました。


この注射薬を持っていて判断の権限があったのはリヴァイ兵長。

ジークを追ってエレンたちの元へやってきたリヴァイに、エレンが注射を重症のアルミンに使うよう促し、アルミンに使う寸前にフロックがやってきます


フロックはエルヴィン率いる特攻に傘下していたものの、運よく生き残っていて、重症状態だったエルヴィンを背負ってきていました。

もちろん巨人化させることで助かるという前提です。


フロックはリヴァイにエルヴィンを巨人化させ助けるように促します。

アルミンと仲のいいエレンやミカサ、エルヴィンと親しいリヴァイはアルミンとエルヴィンのどちらを助けるべきかで、半ば分裂状態になってしまいます。


この時サブキャラですらなかったフロックがエルヴィンに使うべきだと主張

「巨人を滅ぼすことができるのは悪魔だ
悪魔を再び蘇らせる・・・
それが俺の使命だったんだ」
(進撃の巨人 漫画版 84話「白夜」より)

と。

84話はコミックでは21巻に収録されています。
進撃の巨人(21) (週刊少年マガジンコミックス)


フロックにとってはオトリになるために新兵たちを特攻させるというとんでもない一種悪魔的な作戦を指揮したのがエルヴィン。

しかし、人類の敵である巨人を滅ぼすことができるのはエルヴィンのような悪魔のような人物だ

そういう主張です。


物語的にはアルミンは超重要人物で、読者としてはエルヴィンよりアルミンを助けてほしいと思ってしまいます。

また、アルミンの作戦でここまでに何回も作戦が成功したのも事実。


これを根拠にエレンたちはアルミンを助けるべきだと主張していました。


でも正直なところ、私のような読者もエレンたちも分かっていたはず。


気持ちを無視するなら、この時点で人類のためにどちらが生き延びるほうが良いかは明らかにエルヴィン


フロックは表現はねじ曲がっていますが、この明らかな答えをストレートに主張しています。

この主張はフロックが「正しい」と言われている一つの理由です。

でもこのフロックの主張は結局リヴァイの判断で拒否され、アルミンを助けることになりました。

エルヴィンを蘇らせるということは、

「一度は地獄から解放されたこいつを・・・
再び地獄に呼び戻そうとした・・・」
(進撃の巨人 漫画版 84話「白夜」より)

ということになってしまうというリヴァイの判断からです。


人類のため、という意味では正しいように見えるフロックの主張が取り入れられなかったことは、ある種理不尽と言えば理不尽で、「かわいそう」と言われる一つの理由にもなっています。

利用されていただけのフロック

フロックはエレンに地ならしを行う目的を伝えられた人物としては、おそらく最初の人物です。


ラディ島以外の人類の殲滅のために地ならしを行うこと。

この考え方には賛否がありますが、フロックはこの考えを望んでいた人物です。


フロックはエレンに心酔、イェーガー派のトップとしてイェーガー派を指揮し、エレンの目的を援護するために戦い続けました。


しかし、実際はエレンの伝えた目的は完全な真実ではなく、パラディ島以外の人類の殲滅が目的ではありませんでした。


エレンの本当の目的は、地ならしを起こすことでエルディア人問題を解決すること。

地ならしの結果ミカサが何がしかの起こす行動によってこの問題が解決することを、エレンは知っていました。


エレンはそのために地ならしを起こし、進めていました。


フロックはエレンのこの本当の真意を知ることなく、最後までエレンの目的を誤解したままエレンに協力する動きを取り続けます。


エレンに心酔し、エレンの目的を理解していると信じ、イェーガー派(というかこの時は実質エレン派)を指揮し、倒されるまで戦い続けたのがフロック

正直フロックはとてもかわいそうな存在です。

おすすめ電子書籍サイト

進撃の巨人の漫画も対象!
今なら初回購入限定90%OFFクーポンが貰える!(値引き上限2000円)
DMMブックス:いつでもどこでも漫画が読める!!【DMMブックス】

今ならポイント70倍
楽天Kobo:総合電子書籍ストア【楽天Kobo】

フロックが正しいと言われる理由

フロックの行動が「正しい」と評価される場面もあります。

上にも書きましたが、エルヴィンとアルミンのどちらを助けるべきかという話についても、フロックの考えはある種、正論です。


フロックは現実的に考える、理屈として物事を考えるような部分があるようで、壁内人類を守るためという視点では読者から見ても「実際、フロックの言うことのほうが正しいよね」と思わせるものがあります。

地ならしの正しさ

地ならしはパラディ島の外の人類を殲滅するものでした。

そのためにエレンは始祖の巨人の能力で、パラディ島の壁の中の超大型巨人を動かします。

超大型巨人たちは島の外へ進み、主敵のマーレも含めた世界を踏みつぶす形で人類を攻撃していきました。


この行動は紛れもなくパラディ島以外の人類にとっては、大災害です。

ただ、パラディ島以外にとってパラディ島の人たちが「島の悪魔」であり、敵であるという認識をパラディ島の外の人類がもっていた以上、地ならし以外に助かる方法は見当たりませんでした。


既にこの時、マーレのタイバー家の演説の最後でパラディ島への「宣戦布告」が行われている状況。

タイバーの策略で、この宣戦布告は実質的にパラディ島の外の国々連名での宣戦布告に近い意味がありました。


このまま放置していれば、パラディ島に世界が軍事的に侵攻してくるのは時間の問題。


フロックはこの状況で、エレンが地ならしを起こすことを強烈に支持していました。


地ならしにより島の外の人類を滅ぼすことは良いことではないことは分かる。

しかしそうしなければ、自分たちが滅ぼされる。

地ならし以外にはパラディ島を守れる明確な方法がなかったからです。
(ジークの計画は論外)


パラディ島以外の人類の殲滅」か「パラディ島の人類の殲滅」か、パラディ島にいるフロックが「パラディ島以外の人類の殲滅」を選ぶのは普通だし正しいことにも見えます。


直前にマーレのレベリオ収容区を襲撃したこと以外、基本的にパラディ島からは島の外の人類に何もしていないのにマーレから攻撃され、挙句宣戦布告されている状態。


レベリオ収容区を攻撃したと言っても、そもそもその前にマーレから送られたライナーたちがパラディ島の壁の中の人たちを先に攻撃しているという事実。


「島の悪魔」だからという理不尽な理由でこれから世界から攻撃される自分たちが、自分たちを守るために地ならしを行う。

結果、「パラディ島以外の人類の殲滅」になってしまうとしても。


フロックが地ならしを支持するのは立場的には「正しい」ように見えます。(仕方ないも含めて)

おすすめアニメ配信(VOD)サイト

進撃の巨人のアニメやアニメ映画も30日間無料!
DMMTVは初回登録なら30日間無料
アニメ・エンタメ見放題!初月無料!【DMMプレミアム(DMM TV)】

まとめ

フロック・フォルスターという人物は、「進撃の巨人」における最も議論を呼ぶキャラクターの一人です。

フロックが「かわいそう」と言われる理由は、「正しい」と評価されることがあるからこそだと思います。

「正しい」と思える主張なのに受け入れられることがない、挙句エレンの伝えていた地ならしを誤解したまま最後を迎える。

かなり「かわいそう」です。


フロックの信念や行動は、私を含めた読者や視聴者に共感と反発を同時に抱かせ、地ならしそのものの是非を考えさせる理由となりました。

タイトルとURLをコピーしました